こんにちは、日々是好日へようこそ!鍼灸師のAriesです。
本日は、認知症について。
先日、ご縁があって、某所にて開催された若年性認知症当事者の方を講師とした勉強会に出席してきました。
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認知症と社会問題
認知症の患者様が今、どれくらい居るかご存知ですか?
大体462万人と言われています。
2025年には700万人を越えるとされており、MCI(軽度認知機能障害)を含むと1,200万人を越えるとされています。
これってどれ位かイメージが付き難いと思いますが、2025年における14歳以下の若年者層の人口が1,300万人程度であると予想されています。
即ち、若年者の数と認知症患者(MCI含む)の数がほぼ釣り合ってしまうという未曾有の事態が直ぐ8年後に迫っています。
「誰しもが」「当事者やその隣人として」「関わる可能性が」あり得るという事です。
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若年性認知症という病気
冒頭にも触れましたが、今回は若年性認知症の当事者として活動されている方を講師として、実体験から認知症を支える社会とは、という事について学びました。
講師をされたのは57歳の女性の方(Yさん)51歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断されたそうです。
認知症になった時、どんな変化が身体に起きるのか?
山田さんの実体験をお聞きし驚愕しました。
着替えに5時間かかる、との事でした。最長で9時間かかった事もあると仰っていました。
なんで5時間もかかるのか?大げさに言っているのでは?と思いましたが、実演して頂いて納得しました。
ちょっとしたジャンパーを羽織ってもらうという実演でしたが、どれだけ経っても「袖口を探すことができない」のです。そして、袖口を探せないので当然ですが腕を通せない。延々と袖口を探し続けるのです。(視空間認知障害といいます)
こういった事態が50代という若い世代でさえも起き得るという事です。
どうでしょうか?少しはイメージ出来ましたでしょうか?
お会計の際、財布から小銭を出し入れする事ができない。
自分の名前を書く事が出来ず、サインができない。
こういった事で日々困っているとの事でした。
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これからの時代に求められること
これからの時代は若年性を含め、多くの認知症方が増えてきます。そういう時代において、偏見や固定概念に捉われていては「無知」と言われる時代が必ず訪れます。
介護の先進国と言われるスコットランドでは義務教育に高齢者や認知症に関わる内容が必修だそうです。絵本でさえ、認知症に触れて書かれている物があるそうです。
日本って遅れてるなあ・・・と痛感します。
高齢化率の高い日本だからこそ「介護先進国」と言われるに値するような仕組みや取り組みがなされるべきであるのにも関わらず、未だに介護職の離職率は下がらず、現場は常に人員不足。疲弊し続けている現場の状況に、ここ数年解決の糸口が見えた事はありません。
介護の仕事=奉仕と言った概念が崩れておらず、職業として成り立っていない現状がそこにあります。給与面では多少改善傾向にありますが、それでも生活に余裕がある程の給与を得るのは現実問題結構難しい状況。
夜勤なら10時間以上の拘束。交代勤務でまとまった休みはなし。高齢者からの暴言・暴力については「我慢するしかない」といった風潮。重度の介護で腰痛など身体を痛めることも多いです。
こんな条件で、多くの人が安定して働ける訳がありません。まして、若年層の人口はどんどん減っているわけです。
こういった現状、数年から数十年の内には必ず崩壊しかねない状況に国も、国民一人一人も、もっと危機感を持つべきだと私は感じます。
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まとめ
若年性認知症の方の話を聞いて、社会全体の仕組みが、大きく変わっていく必要があると切実に感じました。
まずは、「正しい理解」をする事が第一歩として求められると思います。
他人事ではない、リアルな物事として捉え、積極的に知っていく事が大切だと思います。