こんにちは、日々是好日へようこそ!
日本酒大好きな鍼灸師、Ariesです。
日本酒の事が好き過ぎて、先輩後輩、友人家族問わず色々な人に日本酒を広めるべく、人より少し勉強しながらお勧めしています。
今でこそだいぶ知識量も増えて、割と詳細に説明できるようになりましたが、飲み始めの頃は純米大吟醸とか純米酒といった日本酒の種類も区別できませんでしたし、味の甘口や辛口についてもさっぱりで正直主観でしかありませんでした。
「前に日本酒飲んだ事があるんだけど、辛くて飲めなかった」なんて感想を時々貰いますが、その辛さが何なのか説明することも出来ませんでした。
今回は、そんな日本酒の基礎知識について、解説していこうと思います。
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日本酒の種類と呼び名の違いについて
まず始めに、日本酒の呼称の種類として9種類あります。
①本醸造酒 ②特別本醸造酒 ③純米酒 ④特別純米酒 ⑤純米吟醸酒 ⑥純米大吟醸酒 ⑦吟醸酒 ⑧大吟醸酒 ⑨普通酒 の9つです。
①~⑧については「特定名称酒」と呼ばれており、その分類については精米歩合と使用原料に醸造アルコールが含まれているか、否かによってされています。
また、特定名称酒の製法条件等に当てはまらない日本酒は普通酒とされています。
これは別に日本酒のランク付けという訳ではありませんので悪しからず。
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精米歩合とは?
玄米の状態から精米する過程で、玄米の外側を削って行きますが、その過程でどれくらいの割合を削っていくかの数値となります。
玄米の外側には雑味の元となるたんぱく質や脂質が含まれており、中心に近づけば近づくほど純粋なでんぷん質となります。この事を「心白(しんぱく)」と呼びます。
この割合の事を「磨き」と呼んだりしますが、磨きをすればするほどお米は削られて小さくなってしまい砕けやすくなります。よって多くの原料と丁寧で緻密な作業が必要になってきます。
70%程度の精米歩合で大体半日~一日を要するとされ、大吟醸用の50%以下まで磨くとなると3日~4日かかることもあるとか。こだわりの技ですね。
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甘口?辛口?その違いは?
日本酒の辛口、甘口を計るためのバロメーターとして「日本酒度」があります。
日本酒度は、ざっくり言うと日本酒に含まれる糖分の量。
-だと甘口。+だと辛口と一般的に言われています。
-1.4~+1.4の範囲であれば普通とされます。図表にすると下記の通り。
でも、日本酒度による甘口、辛口の分類は必ずしも正解ではありません。
実際、日本酒度がマイナスの辛口のお酒もありますしね。
日本酒度は、水とアルコールと糖分の相関的な比重によって数字を計ります。
よって、味わいそのものが全て決する訳では無いのです。酵母による味わいの差もありますしね。
そもそも、何をもって甘口(辛口)とするかだって人によって全然違います。
普段でも、果物の甘さとチョコの甘さと大福の甘さは全部同じではないですよね。
辛さでも、わさびの辛いのと、辛子の辛いのと、胡椒の辛いのでは違いますよね。
なので、
糖分が多い(少ない)≠甘口(辛口)
という事になるわけです。あくまで傾向や目安程度と考えるのが良いと思います。
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醸造アルコールって何?良いものなの?
醸造アルコールとは、糖蜜や穀類を原料とした、日本酒に添加することを認可されたアルコールです。このアルコールを発行して使用しています。
米と米麹と水で出来た日本酒にこの醸造アルコールを加える事がありますが、なんか「アルコール度数が上がりそう」とか「酒臭くなりそう」とか「味が薄まりそう」なんて思うかもしれません。
実際、醸造アルコールが一般に出回り、使用されるようになった背景は米不足。当時は薄める目的で使われていたので、まったく関係ないとも言えません。その当時は「三倍増醸清酒」なんてカテゴリが出回っていました。その話は次の項で。
今現在、醸造アルコールはそういった水増し目的ではなく、華やかな香りを立たせるために使用されたり、味わいに変化をつけるために使われています。
なので、醸造アルコール添加が良くないお酒、というわけではありません。
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酒臭い、辛いのナゾとは
先ほど説明に出てきた「三倍増醸清酒」
実は、これが日本酒=酒臭いとか悪酔いするといったマイナスイメージの元凶だったりします。
三倍増醸清酒(さんばいぞうじょうせいしゅ、三増酒さんぞうしゅ)とは、第二次世界大戦後の米不足の際に導入された清酒に類似した酒の一種、増醸酒の通称のことである。
米と米麹で作ったもろみに清酒と同濃度に水で希釈した醸造アルコールを入れ、これに糖類(ぶどう糖・水あめ)、酸味料(乳酸・こはく酸など)、グルタミン酸ソーダなどを添加して味を調える。こうしてできた増醸酒は約3倍に増量されているため、三倍増醸酒・三倍増醸清酒などと呼ばれる。
三倍増醸清酒は、そのままの状態で出荷されることはなく、アルコールを添加した清酒などとブレンドされて製品化される。
第二次世界大戦後、外地米の輸入が途絶えた上に引揚者や復員兵によって人口が増加したため米不足が深刻となった。そのため、戦時中から認められていたアルコールの添加による清酒の増量に加えて、増醸酒の製造が認められた。
米不足が解消した後も、酒造米の配給制度が続き自由に酒造米を購入できなかったこと、低コストで清酒を製産できるので利益率が高いこと、大量に生産できるので消費の拡大に対応ができたこと、消費者が米不足のため低精白になり雑味などが増えた純米酒よりは三倍増醸清酒を好んだことなどにより、戦後の清酒の主流であり続けた。
要は、戦後の時代にアルコールで水増しされた、粗悪品とも言えるお酒が沢山出回っていた訳です。当時の背景を考えると仕方ないとは思いますけどね。
んで、アルコールを添加して薄めているのでアルコール臭がする=酒臭いとか悪酔いすると言った変なイメージが定着してしまったのだと思います。
ま、現在では酒税法の改正(2006年)によって世の中に出回ることはもうありませんが。なんとなく、親や祖父母世代に「日本酒は悪酔いするよ」とか言われた覚えはありまえせんか?
今でも、醸造アルコールが大目の本醸造などは、沢山飲むと頭が痛くなりますので、アルコールが多く添加されている方が悪酔いするというのはあながち間違いではないかも知れませんね。
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まとめ
今回は日本酒の基礎知識という事で、日本酒の分類や呼称の違い。日本酒に対するマイナスイメージとその時代背景等について解説させて頂きました。
知れば知るほど奥が深く、書き出していると際限が無いので今回はここまで。
次回は淡麗辛口を頼む人が多い理由や日本酒の味わいのタイプ、酵母や製法の違い等についてまとめて行きたいと思います。
長文になりましたが、読んで下さった方、ありがとうございました。